Quoi Q&A -Daikatsuyaku-
Dai Kouketsu ( analog )
「大活躍」という事は文字通り圧倒的に活躍するとか
大いに目立つという事になるのだろう。
例えば「メッシ、ハットトリックの大活躍!」とか言うと分かりやすい。
これを仮に自分の事に置き換えようとして、何だろう?
と考えてはみたものの全くもってピンとこない。それはそうだろう
あくまで活躍とは自分自身が決定するものじゃないし
他者からみたひとつの評価軸としての活躍だからだ。
自分からみるのであれば活躍したいとかいう願望になるのだろうけれど。
だったらヒトにフォーカスしないで、モノにフォーカスしてみたらどうか。
僕はずっとアパレル小売業一筋なので、今までに大活躍した洋服のアイテムとかについてだったら何か考えられるのではないかと思ったりしたのだが、
これまた大活躍する程のアイテムがパッと見つからない…苦笑。
そこそこ活躍しては出たり入ったりするアイテムならけっこう
思い当たるのだが…
うーん、コレかなり難しい。
業界が割と長いせいか周りからは洋服に対しての好きなこだわりが強そうとか
言われる事も多いのだが、僕なんかよりこだわりのある人達は山ほどいるし
自分自身こだわりがないわけでは無いがあるとも思わない。
だから結局分からないというのが正直なところだ。
ただこの「分からない」というのが大事だったりするのは事実で、
だから「大活躍」は「分かりやすい」に結びついてしまうのではないかという
自身の思い込みが勝手に妙な抵抗感を生んでしまっているのかもしれない。
ちょっと面倒くさい話だけれど、服選びだったり、店作りだったりが
ある種の活躍やヒットや成功する事への分かりやすさに向かわないというか
分かりづらさに向かってしまうという、永遠に答えの見つからない状態に
むしろ心地良さを感じ、何だか訳の分からない独りよがりを
analog / tool という自店で継続していける事が
自分にとって丁度いいと思っているところがある。
しかしながらここでちょっとだけハッキリ言えるのが、
長年店をやっているとこうした独りよがりを受け入れてくれたり
面白がってくれたり、更には共感までしてくれる人達と日々出会ったり、
繋がっているのも事実で、だからこそこれからの時代、
そういう個人商店の在り方はもっと複雑になって
アイデアとか哲学とか思想ありきの良い展開を迎えるのではないかと
密かに期待していたりもする。
で、テーマからはちょっと逸脱してしまったけれど、結局のところ
「大活躍」ってキーワードは自分にはあまり縁がないんだろうと思う。
一瞬で大きなインパクトを残すより、地味かもしれないけど
長期的なスパンで何かをを残す。
やはり自分の思考は常に流行より持続に向いているんだろうなぁという結論。
Dai Kouketsu
analog/tool 店主
大学卒業後、アパレル小売一筋25年目。
複数の企業を経て、2005年analogを立ち上げ、2018年に移転リニューアル。
